半側空間無視のリハビリテーション②
前回は注意機能がネットワークシステムにより機能し、そのネットワークのどこかで損傷されるとUSNが生じうることを説明しました
また皮質間のネットワークだけでなく、半球間抑制の視点から注意機能の均衡が崩れることでUSNが生じることも説明しました
今回は注意機能における右半球の役割の特異性について考えます
この図は方向性注意障害説を説明する図です
中央、丸の中の左半球からの注意探索焦点は赤矢印で示され、焦点分布は右側に偏っています
また各矢印の幅は探索の幅を示しており、右側が長く、より右側へ探索していくことを示しています
次に右半球からの注意探索焦点は黒矢印で示され、焦点は両側に満遍なく分布されています
黒矢印は探索幅の左右差も少ないです
この図から右半球が損傷し、黒矢印がなくなると考えると探索焦点が右に偏倚、探索幅も右に偏る、というUSNの病態を示します
前回の半球間不均衡説と合わせて古典的なUSNの理論に方向性注意障害説があります
次回は古典的な2つの説に矛盾せず、最近の知見である注意システムを応用した新説を紹介します
なお私は、この説を聞いて衝撃を受け、USNに深く興味を持ちました