理学療法士の文献整理棚

リハビリ関係のアウトプット

小脳病変の機能予後〜海外の報告〜

小脳病変としましたが、以下は小脳梗塞における予後の検討報告を紹介します なお、以下の内容で気になることは原著を確認するようにお願いします ●小脳梗塞患者と失調スケールの予後について Prognostic Importance of Lesion Location on Functional Outcom…

小脳病変の機能予後〜国内の報告〜

脳卒中の中でも小脳病変は予後が良いとされています 急性期では嘔気が強く離床できない症例が亜急性期になると嘔気が減り、グンとADLが上がるなんて症例を経験します 今回から数回にわたり小脳病変の予後について考えていきたいと思います 初回は国内におけ…

半側空間無視のリハビリテーション④

前回は注意のネットワークの知見からUSNを捉えていき、腹側注意ネットワークの重要性について書きました しかしそのメカニズムを理解すると、今まで私たちが行ってきたアプローチは果たして正しかったのか?という疑問が生じます 左を向いてください もっと…

半側空間無視のリハビリテーション ③

前回までは古典的な半側空間無視の病態理解に、半球間不均衡説と方向性注意障害説があることを説明しました 今回は2つの注意システムとUSNの関係について考えていきます corbettaら,2008より引用この写真の左側は意識的にパソコンの画面に集中した状態です…

半側空間無視のリハビリテーション②

前回は注意機能がネットワークシステムにより機能し、そのネットワークのどこかで損傷されるとUSNが生じうることを説明しました また皮質間のネットワークだけでなく、半球間抑制の視点から注意機能の均衡が崩れることでUSNが生じることも説明しました 今回…

神経理学療法学会サテライトカンファレンスに参加して

1/27に神奈川県立大学で行われたサテライトカンファレンスに参加して来ました 都合で午前中の基調講演しか参加できませんでしたが、非常に興味深い講演で満足でした 講師は健康科学大学の村松先生でした テーマは皮質脊髄路機能不全によるバランス低下〜糖尿…

半側空間無視のリハビリテーション①

脳卒中後の高次脳機能障害の1つである半側空間無視(unilateral spatial neglet;USN)について数回にわたり病態解釈に迫っていきたいと思います 2017年10月号のPTジャーナルでUSNの特集が組まれました http://www.igaku-shoin.co.jp/journalDetail.do?journal…

急性期理学療法のリスク管理〜バイタルサイン②〜

前回は侵襲後のバイタルサインのお話の前に、介入するタイミングが大切だというお話をしました 今回はいよいよ、具体的なバイタルサインの変化についてお話を進めていきます ここでは馴染みのある血圧と心拍数または脈拍に焦点を当てていきます ここに3例の…

急性期理学療法のリスク管理〜生体反応とバイタルサイン〜

前回は侵襲後に起こる生体反応として、炎症とサードスペースへの循環血液の移動、そして侵襲後48-72時間後での利尿期について説明しました では術後のリハビリテーションにおいてこのような生体反応をどう活かせば良いのでしょうか? 今回は時系列的に考えて…

急性期理学療法のリスク管理〜侵襲後の生体反応〜

前回は体液の組成と補液について簡単に確認しました kaxmo.hatenablog.com 急性期病院のリハビリテーションにおいて体液変化、補液を考慮する場合で最も多いは侵襲後だと思います 内部疾患患者の廃用症候群に対するリハビリテーションでも必要知識と思います…

急性期理学療法のリスク管理〜体液と補液〜

急性期患者は、受傷や手術などによる侵襲に対して様々な生体反応を引き起こします もちろん患部に対するケアも重要ですが、介入初期では呼吸、循環動態に注意しながら離床を進めていく必要があります 特に循環動態は血圧や心拍・脈拍などでルーティンに評価…

AVERTⅢのその後

●はじめに ●本論文の要点 ●結果 ●結果よりまとめ ●結語 ●はじめに AVERTⅢについて概説しました kaxmo.hatenablog.com またAVERTⅢに対する医師やガイドラインでの反応についてまとめました kaxmo.hatenablog.com 今回は2016年6月に雑誌NeuologyにAVERTをの研…

AVERTⅢの反響

前回AVERTⅢのの概要について示しました kaxmo.hatenablog.com これを受けて脳卒中ガイドラインや日本のリハビリテーション医の先生方の反応をご紹介します 日本脳卒中学会から出されている脳卒中ガイドラインは2015年に改訂されています そこで急性期の脳卒…

AVERTⅢから考えなければいけないこと

2015年4月にLancet誌に脳卒中後の早期離床に関する知見が載せられました (オープンアクセスです。図はすべて原著より引用) Efficacy and safety of very early mobilisation within 24 h of stroke onset (AVERT): a randomised controlled trial Lancet 20…

日本神経理学療法学会参加型フォーラム(2017,11/4・5)に参加して

11月4日、5日と東京の首都大学東京荒川キャンパスで行われた日本神経理学療法学会の参加型フォーラムに参加してきました フォーラムのテーマは"現状と未来の道標" 大会長は本学会長の千里リハの吉尾先生です このフォーラムは参加型と銘打ち、参加者を含めた…

"硬いからマッサージ"は効果があるのか

病院で働いていると理学療法士の仕事=マッサージの人というイメージを持たれています それは患者さんだけでなく医療者側からもです 実際、整形外科術後など徒手療法を行う場面も多くあります 私もその1人ですが、周りのスタッフよりマッサージを選択する場…

ワーラー変性とリハビリテーションへの応用

今回はワーラー変性についてです ●ワーラー変性とは ●皮質脊髄路に生じるワーラー変性に関する報告 ●ワーラー変性を考慮して、急性期リハビリテーションを考える ●ワーラー変性とは 基本的な内容ですが、確認です 神経線維に損傷が生じた場合、損傷部より遠…

脳卒中後の痙縮について

今回は痙縮です 1.痙縮について 1-1.痙縮とは 1-2.ステージ理論と痙縮の関連 1-3.痙縮の責任病巣 1-4.痙縮のメカニズムから理学療法への応用 1.痙縮について 1-1.痙縮とは 1-2.ステージ理論と痙縮の関連 1-3.痙縮の責任病巣 1-4.痙縮のメカニズム…

末期癌の患者の癌(がん)性疼痛に対してリハビリテーション職種ができること

脳卒中はシリーズで書く予定ですが、合間に単発で文献のまとめを記入したいと思います 今回は癌性疼痛です 日本人の死因第1位である悪性新生物、いわゆる"癌(がん)"は、急性期病院で働く理学療法士にとってもよく出会う疾患の1つです 私の病院には血液内科が…

脳卒中リハビリテーションの回復戦略

今では一般的となりましたが、内科疾患の患者さん、外科手術後の患者さんに関わらず急性期病院では早期離床、早期リハビリテーションの重要性が様々なところでいわれています 中でも脳卒中後のリハビリテーションの早期化は進んでおり、発症から48時間以内の…

自分に合ったアウトプットの方法を考える

初投稿のため、ブログを書くに至った経緯をお話します 【自己紹介】 kaxmoは何者か アウトプットすること 【アウトプットの方法】 学会、論文などオフィシャルな形 院内勉強会といった職場内でのアウトプット ブログなどインターネット媒体でのアウトプット …