理学療法士の文献整理棚

リハビリ関係のアウトプット

急性期理学療法のリスク管理〜生体反応とバイタルサイン〜

前回は侵襲後に起こる生体反応として、炎症とサードスペースへの循環血液の移動、そして侵襲後48-72時間後での利尿期について説明しました

 

 

では術後のリハビリテーションにおいてこのような生体反応をどう活かせば良いのでしょうか?

 

今回は時系列的に考えていきます

 

●術後翌日

恐らくどんなに早くても術後翌日にリハビリテーション介入が開始する場合がほとんどかと思います

 

ここで大切なのは

手術時間と出血量

です

 

手術時間はどのくらいかかったのかも大切ですが、今回は何時に行われたか?です

 

例えば手術が午後に行われ16時に終えたとしましょう

 

翌日10時に介入した場合、当然ですが術後18時間です

 

私はこの場合、限りなく24時間経過に近づくよう、介入を遅らせます

 

様々な理由があります(経験則ですが)

 

第一に血液検査や画像所見といった検査所見やバイタルサイン、食事量、覚醒度などの情報が出揃うからです

 

食事量の多い少ないは、すなわち食欲であり、人間の一次的欲求のパラメータです

 

心身含めた体調のパラメータになります

 

また食後嘔吐も術麻酔の副作用としてありえます

 

ましてその嘔吐の引き金がリハビリテーションによって引かれてしまうとその後のリハビリテーションに影響を出すほど、患者さんに精神ショックを与える場合があります

 


また覚醒度も大切です

 

術後は自覚症状の有無が重要です


確実な自覚症状の聴取には覚醒が保たれていることが必須です


そういった点でも介入開始の時間は重要です



また手術による出血量の把握は直接的な体液喪失を把握することと同義です


出血量が多い場合は輸血の措置がとられたりしますが、これも血液検査をチェックすることで把握できます 


前置きが長くなってしまいました

一度区切ります

次回こそ、バイタルサインについて考えます(笑)