"硬いからマッサージ"は効果があるのか
病院で働いていると理学療法士の仕事=マッサージの人というイメージを持たれています
それは患者さんだけでなく医療者側からもです
実際、整形外科術後など徒手療法を行う場面も多くあります
私もその1人ですが、周りのスタッフよりマッサージを選択する場面は少ないです
私はアンチ徒手療法でもアンチマッサージでもありません
私の病院では365日リハを実施しているので、代行することが多くあります
他のスタッフの代行メニューを見ると時折
"痛い=マッサージ"、"硬い=マッサージ"という発想でのメニューが組まれています
そういった患者さんはマッサージに依存的な場合が多く、腰も痛いから揉んでくれ、反対側もやってくれ、など要求が増していく傾向にあります
私は急性期病院に勤務しているので自然経過や廃用の改善により介入の内容に関係なく、ある程度は機能、能力が向上します
そのためマッサージが治療効果に反映されているかどうかはわからないです
良くなってるんだからいいじゃん
という発想もあるかもしれませんね
ただ最速最大の効果を突き詰めることが、専門職としての責務であると思います
そう考えると〇〇だからマッサージの発想は最善策ではないと思います
患者さんが痛がっている、筋肉が硬くなっている
マッサージをする
患者さんが気持ち良かったと満足している
セラピストはそれを見て満足する
しかし対症療法的なので痛みは残る
痛いのはマッサージの程度が低いからだとなる
もっと強い刺激、量をもとめる
その要求に答えてセラピストがマッサージする
その他のプログラムでは満足できず
こんなような負のスパイラルが完成する
一度こうなると担当セラピストが考えを修正しない限り変わりません
しかしこのスパイラルでは患者さんからの依存だけでなく、セラピストも患者さんのニーズに応えてるため共依存の状態になります
共依存から抜け出すのは大変です
特に急性期病院では自然経過で良くなる方が多いため、共依存状態にあることを気付けない場合が多いです
本当にそれが最善なのか?
これを常に考え続けることが重要です
自戒を込めて